親名義の住宅を増改築・リフォームする場合の登記
- 2020年3月21日住宅登記
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住宅ローンを利用して親名義の住宅を増改築・リフォームした場合、何も登記しないと税務署から贈与税の指摘をされることがあります。税務署から見ると「子が親名義の住宅を増改築・リフォーム=子がお金を出して親の財産の価値を増価させた」ということとなり、住宅の名義を変更しないと、工事代金分のお金が子から親に贈与されたとみて贈与税を課税することが考えられるのです。
そこで今回は、子が住宅ローンを利用して親名義の住宅を増改築・リフォームしたときに必要となる登記についてご紹介させて頂きます。
◆子が住宅ローンを利用して親名義の住宅を増改築・リフォームしたときに必要となる登記
①工事前に、親から子に住宅持分を贈与登記
②住宅ローンの融資実行時に住宅と敷地に抵当権設定登記
③工事後に、工事代金に応じて子の持分(名義)を増加=親から子に住宅持分を贈与登記
以下ご説明します
①工事前に、親から子に住宅持分を贈与登記
子が住宅ローンを借りる場合、住宅に子の持分(名義)が必要です。
そのため工事前に親の持分の一部を子の持分(名義)とするために贈与契約を締結して持分移転登記をします。
移転させる持分は、暦年贈与非課税枠の110万円÷住宅の固定資産税評価額で算出します。
この時にかかる費用は、登記費用(110万円×2/100+司法書士報酬)と不動産取得税(110万円×3/100)です。
②住宅ローンの融資実行時に住宅と敷地に抵当権設定登記
住宅ローンの融資実行の際には抵当権設定登記をします。
この時にかかる費用は、金融機関の融資手数料のほか、登記費用(融資額×4/1000+司法書士報酬)です。
③工事後に、工事代金に応じて子の持分(名義)を増加=親から子に住宅持分を贈与登記
工事完了後、住宅の床面積等に変更がある場合は表題部変更登記をします。
また、工事代金に応じて子の持分(名義)を増加させるため親の持分の一部又は全部を子へ移転登記(名義変更)します。
この最後の登記が必要な理由は2点あります
1点目は、この登記をしないと子から親に贈与があったものとみなされ贈与税が課税される可能性があるため。
2点目は、子は「持分割合に応じた」年末ローン残高の1%の税額控除(ローン減税)を受けられるため、子の持分を増加することにより減税効果が高まるため。
この時にかかる費用は、登記費用(移転する持分割合×固定資産税評価額×2/100+司法書士報酬)、不動産取得税(移転する持分割合×固定資産税評価額×3/100)です。
子が住宅ローンを利用して親名義の住宅を増改築・リフォームする場合の登記について、気軽にご相談くださいませ。