岐阜の相続・遺言のご相談・手続トータルサポート【岐阜県全域対応】

  • 058-322-3203
  • メールでお問い合わせ

コラム

一人っ子の相続のチェックポイント【5選】

2020年8月19日相続
画像

一人っ子の相続のチェックポイントは、①一人っ子の父又は母の片方が死亡したときの相続登記、②一人っ子の父母がともに死亡したときの相続登記、③一人っ子の相続税、④一人っ子を持つ親が遺言書を書く意味、⑤一人っ子に子がいない場合の遺言書の必要性の5点です。

 1 一人っ子の父又は母が死亡したときに相続登記をする意味 

一人っ子の父が死亡した場合、父名義の実家の名義変更(相続登記)をする必要があります。しかし、相続人は母と子のため、いずれ子が引き継ぐから、名義をそのままにしておくことがあります。

そうして実家の相続登記(名義変更)をしないうちに、母が認知症となると、実家の名義を変更することが困難となります。

このタイミングで実家の建て替えやリフォームの必要が生じたときには問題が起こります。
母について家庭裁判所で成年後見人を選任しなければ、実家の名義を変更することも、融資を受けて建て替えやリフォームをすることもできません。

一旦選任した成年後見人は母が死亡するまで財産を管理することとなり、月額平均2万円のコストがかかります。

こういった事態を避けたいと思うのであれば、一人っ子であっても、父が死亡したタイミングで相続登記をしておくべきなのです。

 2 一人っ子の父母がともに死亡したときの相続登記と遺産分割協議書 

先の例で、父名義の実家の相続登記(名義変更)をしないうちに、母が亡くなった場合、一人っ子が実家の名義を自分の名義にするためには、相続登記を2回するのが原則です。

つまり、父から母・子に2分の1ずつの法定相続分による相続登記をした後に、母の2分の1の持分を子に相続登記するのが原則です。

しかし、母の生前に母と子の間で実家の名義は子の名義にするという話し合い(協議)が成立していたときは、子がその協議内容を遺産分割証明書として書面化することにより、父から子へ1回で相続登記(名義変更)することが可能です。

遺産分割証明書【記載例】

遺産分割証明書で相続登記を省略することにより、登記費用を1回分節約することができるのです。

なお、子が、「母との生前の協議」を事後的に書面化するのではなく、「母が亡くなってから父から子へ直接名義を変更することを単独で決定」し遺産処分決定書として書面化した場合には、相続登記の省略は認められないので注意が必要です(平成28年3月2日民二第154号)。

この点は細かい違いですが、依頼する司法書士が知っているか否かで対応が異なります。

 3 一人っ子は相続税がかかりやすい 

相続税の基礎控除額は、3000万円+600万円×法定相続人数です。
遺産の額が、この計算式で算出される額を超えると相続税の申告が必要です。

法定相続人が少なければ基礎控除額が低額となり、その分相続税がかかりやすくなります。

一人っ子の父又は母の片方が亡くなった時の相続税の基礎控除額は4200万円。
一人っ子の父母ともに亡くなった時の相続税の基礎控除額は3600万円。

一人っ子の親は教育費も一人分で済むため、比較的預貯金が貯まっているケースが少なくなく、基礎控除額を超えるケースが相対的にみて多いです。

そんな時に比較的簡単にできる生前の相続税対策は、預金の暦年贈与と生命保険です。

①預金の暦年贈与は、毎年110万円までは贈与税が非課税のため毎年110万円ずつ将来の相続財産の額を減少させることができます。

②預貯金を生命保険金に転換することにより、500万円又は1000万円の非課税枠を利用することができます。

①も②も比較的手軽な相続税対策のため、余裕があれば検討すべきでしょう。

 4 一人っ子を持つ親が遺言書を書く意味 

子が一人っ子の場合、親にとって遺言書は不要のように思えます。

しかし、

①一人っ子のはずが、前妻との間に子がいた
②愛人との間に認知した子がいた
③自分が死んだときには配偶者が認知症で遺産分割協議ができない

といった事態が生じ得ます。特に③は高い確率で生じるといっても過言ではないでしょう。

そんなときのために、一人っ子のために遺言書を遺しておくと相続トラブルを予防することができるのでお勧めです。

【遺言書文案例】
・私が死亡したときは全財産を長女〇〇に相続させる。
・長女〇〇は、全財産を相続することの代償として、妻〇〇に金〇〇円を支払わなければならない。
・本遺言の遺言執行者として長女〇〇を指定する。
公正証書遺言 →自筆証書遺言

 5 一人っ子に子がいない場合の遺言書の必要性 

次は、一人っ子の両親が共になくなり、一人っ子が亡くなった時の話です。

一人っ子に配偶者や子がいれば通常の相続です。

しかし、一人っ子が未婚で子もいない場合は問題です。

一人っ子には、配偶者も子も親も兄弟姉妹もいませんから法定相続人がいない状態となります。

法定相続人がいないと、遺産は相続財産管理人が換価して(お金に換えて)、国のものとなります。

ご自分の資産を近しい親族や友人・恩人、貢献したい団体に寄付したい場合は、遺言を遺しておくとよいでしょう。

公正証書遺言 →自筆証書遺言

 まとめ 

○一人っ子の父が亡くなった場合、将来の母の認知症に備えて、父名義の実家の名義変更(相続登記)をしておくことがお勧め。
○一人っ子の父と母が共に亡くなった場合、父名義の実家を相続するときは遺産分割証明書で相続登記を節約することがお勧め。
○一人っ子は相続税がかかりやすいので、親は暦年贈与や生命保険で、相続税対策をしておくのがお勧め。
○一人っ子であっても遺言書を遺しておいてあげると配偶者の認知症対策になるのでお勧め。
○一人っ子に子がいない場合は、ご自分の資産の引き継ぎ先を遺言書で指定しておくのがお勧め。

相続手続サポート・料金表

生前対策サポート・料金表

お問い合わせ

 

前のページに戻る