実家の相続【相続登記】
- 2020年7月12日相続
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実家、田畑、山林などの不動産の相続手続き(名義変更)は、相続登記(そうぞくとうき)といいます。必要な戸籍を集め、誰が不動産を相続するかを決めたうえで、司法書士に、遺産分割協議書の作成と相続登記を依頼するのが基本的な流れです。相続登記の相談の際には、固定資産税の明細を持参するのがポイントです。
1 遺産分割協議書による相続登記
遺言書がない場合は遺産分割協議書に基づき相続登記をします。
①相続人調査(戸籍取り寄せ)
被相続人の相続関係を証明する戸籍一式を取り寄せます。→相続人調査
法定相続情報を取得済みの場合は、法定相続情報でOKです。②相続関係説明図の作成
③相続人全員の印鑑証明書
相続登記の際に提出する印鑑証明書の発行日は相続発生日(死亡日)以降の日付であればOKです。
④遺産分割協議書に相続人全員が署名・実印押印
被相続人名義の家・田畑・アパート・山林などの不動産ごとに、名義変更する相続人を決め、遺産分割協議書を作成します。
⑤相続登記を申請
①②③④の書類+登記申請書を作成し、不動産所在地の管轄法務局に相続登記を申請します。
⑥専門家に依頼した場合の手数料
・相続人調査20,000+実費
・遺産分割協議書10,000
・相続登記50,000+登録免許税
→詳細な料金表はこちら2 公正証書遺言に基づく相続登記
公正証書遺言がある場合は、遺産分割協議書は不要です。
公正証書遺言に基づき相続登記をします。①公正証書遺言正本又は謄本
手元に公正証書遺言正本又は謄本の現物があればそれを使用し、現物がない場合は公証役場に謄本発行申請をします。
②相続人調査(戸籍取り寄せ)
取り寄せる戸籍等は次の通りです。
法定相続情報を取得済みの場合は、法定相続情報でOKです。
・被相続人の最後の戸籍・戸籍の附票
・名義人となる相続人の戸籍・戸籍の附票
・相続人が親の場合は+被相続人の出生までさかのぼった全戸籍
・相続人が兄弟姉妹の場合は+被相続人の出生までさかのぼった全戸籍・被相続人の両親・祖父母が死亡していることを確認できる戸籍③相続登記を申請
①②の書類+登記申請書を作成し、不動産所在地の管轄法務局に相続登記を申請します。
④専門家に依頼した場合の手数料
・相続人調査10,000+実費
・相続登記50,000+登録免許税
→詳細な料金表はこちら3 法務局に保管された自筆証書遺言による相続登記
法務局に保管された自筆証書遺言がある場合は、遺産分割協議書は不要です。
遺言書情報証明書(ゆいごんしょじょうほうしょうめいしょ)に基づき相続登記をします。①相続人調査(戸籍取り寄せ)
取り寄せる戸籍等は次の通りです。
法定相続情報を取得済みの場合は、法定相続情報でOKです。
・被相続人の最後の戸籍・戸籍の附票
・名義人となる相続人の戸籍・戸籍の附票
・相続人が親の場合は+被相続人の出生までさかのぼった全戸籍
・相続人が兄弟姉妹の場合は+被相続人の出生までさかのぼった全戸籍・被相続人の両親・祖父母が死亡していることを確認できる戸籍②遺言書情報証明書の取得
名義人となる相続人が①の書類を持参して法務局で遺言書情報証明書を取得します。
③相続登記を申請
①②の書類+登記申請書を作成し、不動産所在地の管轄法務局に相続登記を申請します。
④専門家に依頼した場合の手数料
・相続人調査10,000+実費
・相続登記50,000+登録免許税
→詳細な料金表はこちら4 法務局に保管されていない自筆証書遺言に基づく相続登記
法務局に保管されていない自筆証書遺言がある場合も、遺産分割協議書は不要ですが、家庭裁判所での検認手続きが必要です。
検認を受けた自筆証書遺言に基づき相続登記をします。①自筆証書遺言
自筆証書遺言を発見した場合は大切に保管し、封がある場合は開封してはいけません。
②相続人調査(戸籍取り寄せ)
被相続人の相続関係を証明する戸籍一式を取り寄せます。→相続人調査
法定相続情報を取得済みの場合は、法定相続情報でOKです。③家庭裁判所への検認申立
①②の書類+検認申立書を作成し、被相続人の住所地の管轄家庭裁判所に検認申立をします。
④相続登記を申請
①②の書類+登記申請書を作成し、不動産所在地の管轄法務局に相続登記を申請します。
⑤専門家に依頼した場合の手数料
・相続人調査20,000+実費
・検認申立30,000+実費
・相続登記50,000+登録免許税
→詳細な料金表はこちら5 法定相続分による相続登記
遺言書がなく、相続人の話し合い(遺産分割協議)もできない場合は、推奨はしませんが法定相続分による相続登記をすることも可能です。
①相続人調査(戸籍取り寄せ)
②相続関係説明図の作成
③相続登記を申請6 その他の注意点
①相続登記をすること自体で税金が発生することはありません
相続登記をすること自体で税金が発生することはありません。
相続の際に発生する可能性のある税金は相続税です。
相続税は、遺産の額が基礎控除額(3000万円+600万円×法定相続人数)を超える場合にのみ発生する税金です。②相続人の中に行方不明者がいる場合
家庭裁判所に不在者財産管理人の選任申立をして、管理人が裁判所の許可を得て遺産分割協議書に署名押印します。
③相続人の中に判断能力のない方がいる場合
認知症等により判断能力のない方は遺産分割協議に署名押印することができません。
家庭裁判所で成年後見人を選任してもらい、成年後見人が裁判所の許可を得て遺産分割協議書に署名押印します。④一旦した相続登記のやり直しをすると贈与税が課税される
一旦した相続登記を後日やり直すことは可能ですが、対価のない財産移転行為として贈与税が課税されます。ただし、遺産分割協議ができなかったため、やむなく法定相続分で登記した場合の相続登記のやり直しについては贈与税は課税されないとされます。
⑤被相続人に相続人(配偶者・子・親・兄弟)がいない場合
近しい人や債権者等の利害関係にある人が家庭裁判所に相続財産管理人の選任申立をし、被相続人の遺産を換価換金・清算する手続きをとります。
相続手続きは、葬儀後1ヶ月以内を目途に【初回専門家相談】を受け【相続人調査】【遺産調査】【遺産分割】【相続財産の名義変更】の順で進めます。
いずれの段階からでもサポート可能ですので、気軽にお問い合わせくださいませ。