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コラム

相続登記義務化~令和6年4月からどう対応すればよいのか?

2023年1月25日相続
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令和6年4月から相続登記の義務化が開始されます。土地・建物の名義人の方、名義人のご家族・ご親族の方、先代や先々代名義の土地の相続登記を放置してきた方に関係する法改正となります。

相続登記義務化を簡易に要約すると、「相続登記は葬儀から3年以内にしなければならず」、「すでに故人名義となっている土地建物については2027年(令和9年)3月までに相続登記しなければならない」ということとなります。

以下、もう少し正確に説明させていただきます。

目次
1 相続登記義務化とは(制度の概要)
2 なぜ相続登記が義務化されるのか(改正の背景)
3 あなたやご家族・ご親族にも関係あるのか(対象者)
4 生前・事前にできる対策はないのか(生前対策)
5 事後・死後にできる解決策は何か(遺産分割・相続登記)
6 事後・死後にできる妥協案は何か(相続人申告登記)
7 手続き費用はいくらかかるのか(手続費用)
8 2024年4月以前の相続にも適用があるのか
9 いらない土地を手放すことはできるのか(相続土地国庫帰属制度)

1 相続登記義務化とは(制度の概要)

相続登記義務化というのは、亡くなった方名義の土地・建物を、3年以内に相続登記(名義変更)しなさいという法改正のことです。

2024年(令和6年)4月から相続登記義務化が始まります。

2 なぜ相続登記が義務化されるのか(改正の背景)

相続登記義務化の背景は、次の通りです。

①明治時代、民法導入の過程で、登記(相続登記などの名義変更)は義務(効力要件)ではなく、権利(対抗要件といいます)という立場が採用された。
→つまり相続登記するかしないかは自由とされた。

②1947年5月2日以前(いわゆる戦前)は、長男一人による家督相続制度
→兄弟姉妹の話し合いは不要。相続登記放置による問題は生じにくかった。

③1947年5月3日(いわゆる戦後)家督相続制度廃止
→「兄弟姉妹平等の均分相続」の時代へ
→相続には兄弟姉妹全員の同意が必要に
→話し合いができないなどの理由により徐々に相続登記放置が増加

④均分相続開始後70年以上を経過し、相続登記が放置された土地が許容できないレベルまで増加
→土地活用に多大な弊害

⑤2024年(令和6年)4月より相続登記義務化が開始
→3年以内の相続登記が義務付けされることに

このような流れを見ると相続登記が義務化されるのも「なるほど」と思えるのではないでしょうか。

相続登記放置により、必要な道路を通せなかったり、住宅を建築できなかったり、都市計画に支障をきたしたりすること防ぐために、相続登記が義務化されるわけです。

3 あなたにも関係あるのか(対象者)

相続登記義務化は、次のような場合に、自分事となります。

①あなた自身が土地建物を所有しているとき
②配偶者・親が土地建物を所有しているとき
③独身などで子のいない兄弟姉妹が土地建物を所有しているとき
④先代・先々代名義のまま放置されている土地などがあるとき

このようなケースに備えて、生前に遺言・生前贈与などを検討するか(生前対策)、死後に速やかに話し合い(遺産分割)をして相続登記をするか(遺産分割・相続登記)が必要となります。

4 事前・生前にできる対策は何か(生前対策)

相続登記義務化に対する最善の策は、生前に名義人の方が遺言公正証書を作成する、生前贈与をするなどの生前対策をしておくことです。

生前対策をしておくことで、均分相続により相続人の話し合いが進まないという事態を避けることができます。

生前対策

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5 事後・死後にできる解決策は何か(遺産分割・相続登記)

すでに土地建物の名義人が死亡しているケースでは、速やかに相続人全員で話し合って(遺産分割)、土地建物の名義人を決める必要があります。

この場合に法定相続分にこだわると、遺産分割が進みにくくなるため、司法書士等の専門家のアドバイスを受けながら、現実的な解決策を検討することとなります。

現実的な解決策の例

①実家を継いでいる長男等が取得する場合は、長男等が無理なく支払える程度の代償金をほかの兄弟姉妹に支払う(法定相続分までのお金は求めない)

空き家となり、売れる可能性のある土地については、換価分割又は法定相続分に近い代償金で分割する。

空き家となるが、売れる可能性が低い土地は、固定資産税の支払いや草刈りなど管理費用の支出がある分、マイナスの財産ともいえるので、今後の管理を任せる相続人に代償金なしで引き継がせる

耕作していない田畑や山林など、固定資産税は少額ではあるが、名義人としての一定の管理の負担が残る土地マイナスの財産ともいえるので、、相続人の中から管理者を決め、管理者に代償金なしで取得させる

アパートなど、賃料収入とローンとセットとなるような場合は、建て替え等までの収支を想定して、代償金の有無を検討する。

店舗などへの貸地、貸駐車場等についても、年間収支を考慮し、代償金の額を検討する。

相続手続き

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6 事後・死後にできる妥協案は何か(相続人申告登記)

相続登記の義務化に伴い3年以内に話し合いをまとめることが最優先されます。

司法書士等の専門家に依頼するなどして戸籍を集め、相続人を調査して、手紙を出すなど相続人と連絡を取り、協力を求めていきます。

どうしても3年以内に相続人の話し合いが成立しない場合は、相続人申告登記という方法があります。

相続人申告登記は、相続が発生したことを公示するとともに、申告登記をした相続人については、相続登記義務が暫定的に履行されたことを示します。

つまり、相続人としては、3年以内に相続登記できなくても、相続人申告登記をすることで、ご自身の義務を暫定的に果たすことができるのです。

 

7 相続登記の手続費用はいくらかかるのか(手続き費用)

「相続登記にいくらかかるのか」
「ザックリでいいから費用を教えて」
というご相談をよくいただきます

司法書士を悩ませる質問の一つです。
「土地や相続関係の情報がない状態でザックリという金額は出しようがない」というのが専門家の本音です。

しかし、金額に対して漠然とした不安感を感じることも理解できるので、次のように回答することにしています。

①土地の価格に応じた印紙代や相続人の数により大幅に変動する可能性がありますが
②おおむね10万円前後から30万円くらいに収まる方が多いです。
③相続人の数が多かったり、土地・建物の価格が高いとより高額になるケースがあります。
④まずは相続登記する土地建物の住所をお教えいただき、概算見積をさせていただきます。
そのうえで手続きを進めるかどうかご検討ください。

司法書士に相続登記のご相談をされる場合は、固定資産税の明細など、土地建物の住所がわかる資料をお手元にご準備いただくのがポイントです。

相続の料金表

8 2024年4月以前の相続にも適用があるのか

相続登記義務化は、すでに故人名義となっている土地建物についても適用があります。
故人名義の土地があることと、ご自身が個人の相続人であることを認識した時から3年以内に相続登記をすることが義務化されるわけです。

2024年4月から最短で3年後の2027年3月までに相続登記しなければならなくなる可能性があります。

9 いらない土地を手放すことはできるのか(相続放棄・相続土地国庫帰属制度)

耕作していない田畑や山林、空き家となった実家など、いらない土地を手放すことはできるのでしょうか?

このような場合には、相続放棄と相続土地国庫帰属制度を検討することとなります。

ただし、いらない土地の放棄は、あくまでも厳しい条件をクリアできる場合のみの選択肢ととらえておいたほうが無難です。

以下概略をご説明します。

(1)相続放棄:問題の根本的解決になりにくい

相続放棄は、亡くなった方の「全財産を放棄」するという制度です。
一部の財産を取得して、一部の財産を放棄するという、「いいとこどり」はできません。
ただし、死亡保険金は民法上は相続財産の対象外ですので、相続放棄しても死亡保険金は受け取ることができます。

相続放棄によりいらない土地を放棄する仕組みは次の通りです。

①3か月以内に故人の配偶者・子全員が相続放棄
②故人の兄弟姉妹全員が相続放棄→相続人不存在に
③故人の相続人が家庭裁判所に相続財産管理人の選任申し立て
④相続財産管理人が故人の遺産を精査し、土地を売却(売却できるかがポイント)
⑤売却金から固定資産税等、管理人の報酬を差し引き、残金があれば国に帰属
⑥赤字になれば相続放棄した申立人が、補填

このように相続放棄したとしても、最終的には誰かに土地を買い取ってもらわなければなりません。

最終的には土地を売却するのであれば、初めから不動産業者などを通じて買い手を探すほうが良いかもしれません。

このようにみると、いらない土地を手放す手段としては、相続放棄はお勧めできないと考えております。

(2)相続土地国庫帰属制度は厳しい条件をクリアすれば土地を手放せる制度

相続土地国庫帰属制度は、相続放棄と違って、語弊はありますが、一定の「いいとこどり」をできる制度です。つまり、一部の遺産は相続して、いらない土地だけ放棄することが可能な制度なのです。

ただし、当然のこととして条件が厳しいです。

相続土地国庫帰属制度の条件

①相続で取得した土地であること
②10年分の土地管理費相当額を納付すること(ポイント)
③更地であること又は更地にすること(ポイント)
④担保権がないこと
⑤通路など他人に使用される予定の土地でないこと
⑥土壌汚染や埋設物がないこと
⑦境界が明らかであること
⑧危険ながけ地等でないこと

相続人としては、代表の相続人を決め、10年分の管理費用と建物解体費用等を考慮して「土地とお金をセットで取得させ」、後のことは任せるといった話し合い(遺産分割)をすることとなろうかと想定されます。

「土地とお金をセットで取得させる」のがポイントといえそうです。

表面的に条件を満たしている場合でも、国が引き受ける過程では、様々な事情が検討され、想定以上の出費が生じたり、最終的には国庫帰属ができないといった事態も考えられます。

いらない土地を引き受ける代表相続人は、このようなリスクを理解して土地を引き継ぐこととなります。

 

以上、後半は結構細かくなりましたが、改めて今回の改正のポイントを繰り返すと以下の通りとなります。

①これから相続登記は故人の死亡を知った時から3年以内にしなければならない

②すでに故人名義となっている土地建物については最短2027年(令和9年)3月までに相続登記しなければならない

相続登記をご検討の方は気軽にお問合せフォームからお問い合わせいただけると幸いです。

お問い合わせの際は、固定資産税の明細を添付いただけると、より話が進みやすくなりますのでご検討くださいませ。

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